イラストレーター・佐伯俊男は1945年宮崎県生まれ。幼少期を大坂で過ごし、69年に上京。エロスやユーモア、ホラーを織り交ぜた作品が、寺山修司や澁澤龍彦らに評価され、70年に週刊誌『平凡パンチ』でデビューした。
同年に発表した処女作品集『佐伯俊男画集』(アグレマン社)の原画展をパリで開催したときには、展覧会終了後にすべての作品が盗難に遭ったほか、72年にジョン・レノンとオノヨーコのアルバム「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」のジャケットに使用されるなど、作品は熱狂的な支持を受けた。
近年はイギリス、イスラエル、アメリカ、香港をはじめとした世界各国で展覧会を開催すると同時に、作品集も積極的に発表。現代の春画、妖怪画とも言える作品は、日本のアンダーグラウンドシーンを越えて、国際的に受け入れられている。
NANZUKAでは初個展となる本展では、70年代から80年代のオリジナル作品に加えて、新作を公開。また、彩色を加えた巨大壁画にも挑戦する。