岡本作礼は、1958年佐賀県唐津市生まれ。唐津焼の窯元で修業をしたのちに自身の窯を築き、唐津焼の伝統技法を用いて、うつわや壷、茶道具などを制作している。
土、火、水などを使用してつくられるやきもの。自然崇拝の文化がある日本において、やきものは、自然への祈りが内在していると考えられることがある。岡本も、自然の摂理への畏怖や、創造へ敬虔な気持ちをもちながら、作品を制作しているという。
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本展では、唐津焼の伝統技法である「叩き技法」の痕跡を古代の洞窟壁に見立てた《唐津叩き彩文土器》(2017)、仏教の経典を入れる経筒に、般若心経を釘で彫って記した《緑黒陶般若心経釘彫経筒》(2017)などを中心に、近作6点が展示される。
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唐津を代表する作家の一人である岡本の、制作に対する真摯な姿勢が表れた作品を見ることができる。