大寺俊紀は1940年生まれ。60年代よりオプ・アートやジオメトリック・アートと呼ばれる抽象幾何学絵画を制作する。40代で洗礼を受け、現在は大阪の教会で牧師を務めるが、そのかたわら聖書からインスピレーションを得た抽象絵画の制作を続けている。
いっぽう、乙うたろう(前光太郎)は1994年生まれ。2016年に京都精華大学デザイン学科を卒業。本来二次元であるキャラクターに「壺」という三次元の身体を与える作品を制作し、キャラクターの存在や信仰を再検証する試みを行っている。
本展は、インディペンデント・キュレーターの長谷川新のキュレーションによるもの。長谷川は、本展の開催にあたり、「西洋の絵は脊椎動物であるが、日本の洋画は軟体動物である。骨格がない。」という美術評論家で詩人の外山卯三郎(1903-1980)の言葉を引用している。それぞれ独自の「やわらかな脊椎」を模索する2人が、どんな共演を果たすのか注目だ。