独自の世界を追求する2人が、世代を超えて共演。大寺俊紀+乙うたろう「やわらかな脊椎」展

50年以上にわたり抽象幾何学画の制作を続ける大寺俊紀と、昨年大学を卒業し二次元のキャラクターをモチーフにした作品を制作している乙うたろうによる展覧会が開催される。大阪のCASにて、7月1日から22日まで。

乙うたろう つぼみ 2016

 大寺俊紀は1940年生まれ。60年代よりオプ・アートやジオメトリック・アートと呼ばれる抽象幾何学絵画を制作する。40代で洗礼を受け、現在は大阪の教会で牧師を務めるが、そのかたわら聖書からインスピレーションを得た抽象絵画の制作を続けている。

大寺俊紀 西大寺キリスト教会にて 2017

 いっぽう、乙うたろう(前光太郎)は1994年生まれ。2016年に京都精華大学デザイン学科を卒業。本来二次元であるキャラクターに「壺」という三次元の身体を与える作品を制作し、キャラクターの存在や信仰を再検証する試みを行っている。

乙うたろう 「jpegと幽霊」展にて 2016

 本展は、インディペンデント・キュレーターの長谷川新のキュレーションによるもの。長谷川は、本展の開催にあたり、「西洋の絵は脊椎動物であるが、日本の洋画は軟体動物である。骨格がない。」という美術評論家で詩人の外山卯三郎(1903-1980)の言葉を引用している。それぞれ独自の「やわらかな脊椎」を模索する2人が、どんな共演を果たすのか注目だ。

編集部

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