萬鐵五郎(1885〜1927)は岩手県花巻市出身の画家。個性派と呼ばれる芸術家を多数輩出した大正時代において、西洋絵画と東洋の伝統を融合させ、独自の世界を作り上げた画家として知られている。
没後90年を記念した本展は、20年ぶりの大規模な回顧展。重要文化財である《裸体美人》(1912)、《雲のある自画像》(1912-13頃)などの油彩画の代表作に加え、その制作プロセスを示す素描や資料も展示。さらに、これまであまり注目されてこなかった萬の水墨画にも焦点を当てる。
過去最大規模の総出品点数約400点によって、萬の造形や表現の変遷をたどり、その表現の本質に迫る。