2014年に福島県猪苗代町に開館したはじまりの美術館は、知的障害者の支援事業を行う安積愛育園が運営。明治時代に建てられた、築年数約130年の酒蔵「十八間蔵」をリノベーションした空間で、福祉の現場で生まれた作品などを多く紹介している。
「あなたが感じていることと、わたしが感じていることは、ちがうかもしれない」と題された本展は、「みる」「さわる」「かんじる」「はなす」の4つのキーワードを軸に、鑑賞におけるコミュニケーションを通じて「感じ方の違い」を体験することをテーマとした企画。「木彫の絵画」「ガムテープに覆われた助六のような作品」といった視覚情報だけでは表現できないような作品や、触れることができる作品などが出品され、多様な鑑賞体験や対話を促す。
会場は館内を往復する順路構成になっており、復路では触れながら作品を鑑賞することができる。言葉がもつイメージを立体で表現する乾ちひろ、《じゃらじゃら》と呼ばれる余暇活動の道具をつくる佐久間宏+歴代支援員、視覚障害を持ち「さわる絵画」を制作している光島貴之ら、7組のアーティストが出品する。