新型コロナウイルスの感染が拡大し、今日も移動や外出が自粛される状況が続くが、テクノロジーを通じて交流する人々は増えている。このデジタルコミュニケーションの急速な普及によって見直される直接対面の価値など、ポストコロナの時代に向けて、すでに人々の価値観や社会システムは大きく変化しているだろう。
街づくりにおける様々なコンサルティングを手がけるNI-WAは、アートをリモートで体感するためのオンラインアートサロンを開設。現在、5月31日までの期間限定で、東京・九段にある国の登録有形文化財「旧山口萬吉邸」をリノベーションした築93年の「kudan house」を舞台に、クローズドアートイベントを開催中だ。
本企画は、コロナ前に自分の目や耳で感じていたアート体験やその場の臨場感を、デジタルコミュニケーションツールを活用してリモートで体感するという新たな取り組みとなる。東京大学大学院教授の横張真が提唱する「つくらない都市計画」をテーマに、アートと街づくりが交差することの可能性が探求される。
アートディレクターには、ギャラリストとして多くのアーティストを世に輩出してきた吉井仁実。またゲストには写真家の篠山紀信をはじめ、脇田玲や田所淳、秋山ブクらを迎える。そのほか建築やテクノロジー、カルチャー、エンターテインメントなど、各界のオピニオンリーダーが登壇し、アートを通じたこれからの都市のあり方を表現する約30コンテンツを配信する。ファシリテーターはITジャーナリストの林信行とNI-WA代表取締役社長の吉川稔が務める。
本企画では、会場ムービーの配信に加え、DJやミュージックライブなども実施。また会場のkudan houseでは、1時間に1組だけのオンライン館内ツアーなど、リモートで会場を独占できるようなスペシャル企画も予定しているという。