東京・目黒の「ホテル雅叙園東京」の中にある、1935年建造の東京都指定有形文化財「百段階段」。ホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園3号館にあたり、同館で現存する唯一の木造建築だ。99段の長い階段廊下で繋がれている7つの部屋はそれぞれ趣向が異なり、各部屋の天井や欄間には、鏑木清方や荒木十畝らによる美人画や花鳥画が描かれている。これらの各部屋は、その類まれな背景を活かした雛人形展や、いけばな展などの企画展を開催している。
そして今回、2017年に開催された「福ねこ」展に引き続き、18年3月29日から5月13日まで「猫都の国宝展 at 百段階段」が開催される。
この展覧会は40名の作家による「猫の都『猫都(ニャンと)』で国宝展が開催されたら?」をテーマに、国宝をモチーフにした作品から現代美術まで幅広く紹介するというもの。
信州高森町の瑠璃寺に奉納されている、もりわじんによる《薬師猫神様》をはじめ、横尾忠則による立体作品や、歌川国芳や葛飾北斎をオマージュした作品、猫好きで知られる小説家の大佛次郎を紹介する展示物など222点が並ぶ。
そのほか週替わりのリレー個展も開催。常時展示作品と合わせると800点以上にもおよぶ猫の作品が展示される。
また、展示会場では「猫グッズマーケット」も開催。猫をモチーフにした作品などを購入することができる。
歴史ある文化財「百段階段」と、現代の作家たちによる猫をモチーフにした作品群という異色の組み合わせを楽しめる展覧会だ。