駅直結の美術館
まずは屋外を通ることなく行ける、駅直結の美術館をピックアップ。
国立新美術館

千代田線・乃木坂駅の6出口に直結している国立新美術館では、「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s‒1970s」(~6月30日)が開催中。快適性や機能性、芸術性の向上を目指した建築家たちが設計した「戸建ての住宅」にフォーカスした同展。衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという7つの観点から「戸建ての住宅」を紐解く構成となっている。大著名な建築家たちによる15邸の模型を中心に、20世紀の住まいの実験が、写真や図面、スケッチ、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィック、映像などを通じて多角的に紹介されている。

サントリー美術館

六本木駅に直結する美術館であるサントリー美術館では、「酒呑童子ビギンズ」(~6月15日)が開催されている。平安時代、都で貴族の娘や財宝を次々に略奪していた酒呑童子が武将・源頼光とその家来によって退治される物語が14世紀以前に成立。その後、絵画や能などの題材になって広く普及した。なかでも同館では重要文化財・狩野元信筆《酒伝童子絵巻》を所蔵しており、本展では2020年に解体修理を終えたばかりの本作を、同館史上最大規模に広げて公開している。

7月2日からは「ざわつく日本美術」の第2弾として、「まだまだざわつく日本美術」(~8月24日)が開催予定。思わず「心がざわつく」ような展示方法や作品を通して、目や頭、心をほぐし、大人も子供も楽しめる展示となるだろう。
森美術館

また同じく六本木駅に直結する森美術館では、7月2日より「藤本壮介の建築:原初・未来・森」(~11月9日)が開催される予定だ。藤本壮介は1971年北海道生まれの建築家で、東京大学卒業後、2000年に藤本壮介建築設計事務所を設立した。14年には《ラルブル・ブラン(白い樹)》でフランス・モンペリエ国際設計競技の最優秀賞を受賞し、以降15年、17年、18年にもヨーロッパ各国の国際設計競技で最優秀賞を受賞している。本展はそんな藤本にとっての初の大規模回顧展となり、活動初期から現在進行中のプロジェクトまで主要作品を紹介する展示構成となる。
東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリーは、JR東京駅丸の内駅舎内にある。現在、フィンランドのモダンデザイン界で活躍したタピオ・ヴィルカラの展示である「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」(~6月15日)が開催されている。1940年代後半から50年代にかけて、イッタラ社のデザインコンペ優勝やミラノ・トリエンナーレのグランプリ受賞といった経歴を持ち、ガラスのほかに磁器、銀食器、宝飾品、照明、家具、グラフィック、空間といった様々なデザインを手がけた。本展ではプロダクトやオブジェ約300点に加え、写真やドローイング(複写)が展示されている。

EMMA – Espoo Museum of Modern Art. © Ari Karttunen/EMMA © KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2024 C4780
また7月5日からは「藤田嗣治
絵画と写真」(~8月31日)が開催される。藤田嗣治は、乳白色の下地に描いた絵画で世界的に有名な、エコール・ド・パリを代表する画家だが、本展では「写真」をキーワードに藤田を紐解く展示となる。
- 1
- 2