伝説的版画家の軌跡。「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」(青森県立美術館)
1955年、第3回サンパウロ・ビエンナーレで版画部門の最高賞を受賞し、翌31年の第28回ヴェネチア・ビエンナーレでは国際版画大賞を受賞するなど、「世界のムナカタ」として国際的な評価を得た版画家・棟方志功(1903〜1975)。その全容をたどる大規模回顧展「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」が青森県立美術館で9月24日まで開催されている。
棟方の生誕120年を記念する本展は、棟方と富山、青森、東京の各地域の関わりを軸にした最大規模の回顧展。板画(自作木版画の呼称)、倭画(自作肉筆画の呼称)、油画など、様々な領域を横断しながら、本の装幀や挿絵、包装紙などの商業デザイン、映画・テレビ・ラジオ出演にいたるまで、時代特有の「メディア」を縦横無尽に駆け抜けた棟方の多岐にわたる活動を紹介する。
ハイライトのひとつが、縦3メートルの巨大な屛風《幾利壽當頌耶蘇十二使徒屛風》(五島美術館蔵)だ。同作が展覧会に出品されるのは約60年ぶりのこと。また、ほとんど寺外で公開されることのなかった倭画の名作《華厳松》(躅飛山光徳寺蔵)は通常非公開の裏面とあわせて展⽰されている。
会期:2023年7月29日~9月24日
会場:青森県立美術館
住所:青森県青森市安田近野185
電話番号:017-783-3000
開館時間:9:30〜17:00(8月19日、9月23日〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし10月9日は開館)、10月10日
料金:一般 1800円 / 大学・高校生 1300円 / 中学生以下 無料