EXHIBITIONS
biscuit gallery group exhibition「re」
biscuit galleryでは2022年最初の展覧会として、7名のアーティストによるグループ展「re」を開催する。参加作家は、大庭孝文、菊地匠、古家野雄紀、鈴木康太、タニグチカナコ、出口雄樹、中原亜梨沙。
展覧会タイトル「re」は「再び」「反対」などの語意を形成する、英語圏における接頭辞を引用したもので、その語義的な理由から必然的に、「re」とは何かしらもととなる、あるいは対峙するための事柄を伴うと言う。
本展は、7名の時代を共有するアーティストをひとつの企画においてグルーピングし、今日の日本において見受けられる美術動向、またこれまでその流れの一端を省みることが狙い。7名は簡単に一括りにすることはできないが、1980年代以降に生まれ、その活動を2010年代以降にスタートさせているという点、また作家性を形成する過程において日本に固有の美術表現、技材、歴史について学んでいたという点で重なる。
グローバリズムを享受するいま、そしてこれまでも特定の美術様式と外部からインストールされた美術様式とが同居する日本において、また数多くの美術動向が生まれたこの地域の美術の歴史において、その突端にいる私たちの時代にはどのような表現があり得るのかを、本展は、固有の問題意識をもつ7名のアーティストとともに紹介できればとしている。
⼤庭孝⽂は1988年⼤阪府生まれ。2013年広島市⽴⼤学芸術学部美術学科⽇本画専攻卒業、2018年同⼤学院博⼠後期課程を単位取得退学。「記憶する/忘却する」という認知状の現象をテーマに、支持体にスチレンボードや日本画材を用い、レリーフのような強度とテクスチャーを備えた平面作品を制作している。
菊地匠は1991年栃⽊県⽣まれ。2015年東京芸術⼤学美術学部⽇本画専攻卒業、17年同⼤学⼤学院美術研究科芸術学専攻修了。自身が「オフペインティング」と名付けた、絵具を拭うことで幽遠な状況を描き出し、理想と自らのあいだにある距離感やそれを感受している肌感覚を絵画体験として提示する。
古家野雄紀は1993年生まれ、愛知県出⾝。2019年に東京藝術⼤学⼤学院修⼠課程デザイン科描画・装飾研究室を修了。制作デザインN賞(中島千波賞)受賞。江戸期などの日本美術の絵画表現を巧みに要素分解し、そこに平成やゼロ年代のテレビゲームやカードゲームのカルチャー要素を組み込み、現代の時間軸に日本美術をリプレイスする。
鈴⽊康太は1993年生まれ、静岡県出⾝。2019年に多摩美術⼤学⼤学院前期博⼠課程⽇本画研究領域を修了。現在、多摩美術⼤学統合デザイン学科助⼿。ウェブ上で起こるバグを現代の風景として解釈し、日本画材のマテリアルな質感によって「データ/イメージ→物質化」のプロセスを作品化する。
タニグチカナコは1996年生まれ、広島県出⾝。京都精華⼤学芸術学部⽇本画コースを卒業後、京都精華⼤学⼤学院芸術研究科博⼠前期課程を修了。浮世絵や春画から固有の肉体表現を読み解き、肉感表現に視点のひとつを置いた、「人肌のようなテクスチャー」をもつ和紙に描き出す。
出⼝雄樹は1986年生まれ、福岡県出⾝。2013年に東京藝術⼤学美術学部絵画⼤学院修⼠課程⽇本画専攻を修了。2013年より渡⽶し、ニューヨークを拠点に世界各地で作品を発表。平安から桃山・江戸に連なる日本絵画が元来もつ、華やかさや荘厳性を手がかりにスタディし、そこから得た絵画性と20世紀的なポップ・アートの様式を掛け合わせ、日本美術をグローバルなコンテクストに組み込む。
中原亜梨沙はこれまでアートフェア東京など国内外での展⽰多数。作品は化粧品広告や挿絵に採⽤され、2016年に画集『ゆうなれば花』、2021年に下図集『BORDERLINE』を刊⾏。いくつかの断片的なイメージ、色彩をアッサンブラージュしながら女性像を組み立てる。
展覧会タイトル「re」は「再び」「反対」などの語意を形成する、英語圏における接頭辞を引用したもので、その語義的な理由から必然的に、「re」とは何かしらもととなる、あるいは対峙するための事柄を伴うと言う。
本展は、7名の時代を共有するアーティストをひとつの企画においてグルーピングし、今日の日本において見受けられる美術動向、またこれまでその流れの一端を省みることが狙い。7名は簡単に一括りにすることはできないが、1980年代以降に生まれ、その活動を2010年代以降にスタートさせているという点、また作家性を形成する過程において日本に固有の美術表現、技材、歴史について学んでいたという点で重なる。
グローバリズムを享受するいま、そしてこれまでも特定の美術様式と外部からインストールされた美術様式とが同居する日本において、また数多くの美術動向が生まれたこの地域の美術の歴史において、その突端にいる私たちの時代にはどのような表現があり得るのかを、本展は、固有の問題意識をもつ7名のアーティストとともに紹介できればとしている。
⼤庭孝⽂は1988年⼤阪府生まれ。2013年広島市⽴⼤学芸術学部美術学科⽇本画専攻卒業、2018年同⼤学院博⼠後期課程を単位取得退学。「記憶する/忘却する」という認知状の現象をテーマに、支持体にスチレンボードや日本画材を用い、レリーフのような強度とテクスチャーを備えた平面作品を制作している。
菊地匠は1991年栃⽊県⽣まれ。2015年東京芸術⼤学美術学部⽇本画専攻卒業、17年同⼤学⼤学院美術研究科芸術学専攻修了。自身が「オフペインティング」と名付けた、絵具を拭うことで幽遠な状況を描き出し、理想と自らのあいだにある距離感やそれを感受している肌感覚を絵画体験として提示する。
古家野雄紀は1993年生まれ、愛知県出⾝。2019年に東京藝術⼤学⼤学院修⼠課程デザイン科描画・装飾研究室を修了。制作デザインN賞(中島千波賞)受賞。江戸期などの日本美術の絵画表現を巧みに要素分解し、そこに平成やゼロ年代のテレビゲームやカードゲームのカルチャー要素を組み込み、現代の時間軸に日本美術をリプレイスする。
鈴⽊康太は1993年生まれ、静岡県出⾝。2019年に多摩美術⼤学⼤学院前期博⼠課程⽇本画研究領域を修了。現在、多摩美術⼤学統合デザイン学科助⼿。ウェブ上で起こるバグを現代の風景として解釈し、日本画材のマテリアルな質感によって「データ/イメージ→物質化」のプロセスを作品化する。
タニグチカナコは1996年生まれ、広島県出⾝。京都精華⼤学芸術学部⽇本画コースを卒業後、京都精華⼤学⼤学院芸術研究科博⼠前期課程を修了。浮世絵や春画から固有の肉体表現を読み解き、肉感表現に視点のひとつを置いた、「人肌のようなテクスチャー」をもつ和紙に描き出す。
出⼝雄樹は1986年生まれ、福岡県出⾝。2013年に東京藝術⼤学美術学部絵画⼤学院修⼠課程⽇本画専攻を修了。2013年より渡⽶し、ニューヨークを拠点に世界各地で作品を発表。平安から桃山・江戸に連なる日本絵画が元来もつ、華やかさや荘厳性を手がかりにスタディし、そこから得た絵画性と20世紀的なポップ・アートの様式を掛け合わせ、日本美術をグローバルなコンテクストに組み込む。
中原亜梨沙はこれまでアートフェア東京など国内外での展⽰多数。作品は化粧品広告や挿絵に採⽤され、2016年に画集『ゆうなれば花』、2021年に下図集『BORDERLINE』を刊⾏。いくつかの断片的なイメージ、色彩をアッサンブラージュしながら女性像を組み立てる。