EXHIBITIONS

ユージン・スミスとアイリーン・スミスが見たMINAMATA

Photo by W. Eugene Smith © Aileen Mioko Smith

Photo by W. Eugene Smith © Aileen Mioko Smith

Photo by Aileen M. Smith © Aileen Mioko Smith

Photo by Aileen M. Smith © Aileen Mioko Smith

Photo by Aileen M. Smith © Aileen Mioko Smith

Photo by Aileen M. Smith © Aileen Mioko Smith

 津奈木町のアートによる町づくりは、水俣病からの地域再生を目指し、1984年に始まった。その活動拠点として2001年につなぎ美術館が開館した。本展「ユージン・スミスとアイリーン・スミスが見たMINAMATA」は2021年のつなぎ美術館開館20周年を記念し、2019年から3年かけて取り組む現代美術家・柳幸典による「柳幸典つなぎプロジェクト」の関連企画として開催されている。

 水俣・芦北地域でリサーチを重ねてきた柳。20世紀を代表する写真家で、公害病の原点ともされる水俣病を約3年間にわたり撮り続けたユージン・スミスと妻アイリーン・スミスの写真展を自身の個展と同時に開催することで、地域が抱える複雑な問題を改めて考える機会を生み出したいと考えた。

 水俣病を巡る複雑な事情によって水俣や周辺地域では、ユージン・スミスとアイリーン・スミスの作品が公的機関によってこれまで積極的に公開されることはなかったが、柳の考えに賛同したつなぎ美術館は、展示構成に工夫を凝らし、様々な立場の人々がともに水俣病と自身との関わりを模索。個人、地域、社会の未来について思考を深める機会となる写真展を目指し、今回の開催に至った。

 本展には、アリゾナ大学クリエイティブ写真センター(Center for Creative Photography)とアイリーン・アーカイブが協力。写真集『MINAMATA』に収められている写真と、未発表の地域の日常を撮った写真などをアイリーンの監修により新たに約70枚プリントし、水俣市での撮影においてユージンの助手を務めた石川武志がとらえた、ユージンとアイリーンの写真15点とともに展示している。