EXHIBITIONS

没後20年

まるごと馬場のぼる展

描いた つくった 楽しんだ ニャゴ!

2021.07.25 - 09.12

まるごと馬場 『11ぴきのねことあほうどり』(こぐま社、1972年刊 印刷原稿) こぐま社蔵

まるごと馬場 『きつね森の山男』(こぐま社、1974年刊 印刷原稿) こぐま社蔵

まるごと馬場 『ぶたたぬききつねねこ』(こぐま社、1978年刊 原画) こぐま社蔵

まるごと馬場 『ぶどう畑のアオさん』(こぐま社、2001年刊 原画) こぐま社蔵

まるごと馬場 「ブウタン」『幼年ブック』(集英社、1954年掲載マンガ原稿) こぐま社蔵

まるごと馬場 スケッチブック 2001 こぐま社蔵

まるごと馬場 紙ふうせん(小学校5年生時作) 1938 青森県三戸町蔵

 練馬区立美術館は、「没後20年 まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだ ニャゴ!」を開催。絵本『11ぴきのねこ』シリーズで知られるマンガ家・馬場のぼる(1927~2001)を、様々な側面から紹介する。

 青森県三戸町に生まれた馬場は、1949年にマンガ家を目指して上京。50年には少年誌でいち早く連載を持ち、手塚治虫、福井英一とともに「児童漫画界の三羽ガラス」と呼ばれるほどの人気を博した。児童マンガ界の主流が活劇モノに変化し始めると、大人向けのマンガ雑誌に連載しながら、徐々に絵本の世界に活動の場を移行。67年に刊行された『11ぴきのねこ』(こぐま社)はロングセラーとなり、現在まで絵本のみならずキャラクターグッズや人形劇など様々な媒体を通し、世代を超えて愛されている。

 馬場は1952年から亡くなるまで約50年間練馬区に居住した、地域ゆかりの作家でもある。自宅には膨大な日記やスケッチブックが残されており、これら資料のなかからは、街で見かけた人々や庭の花、新作のアイディアなど、日々の視点や試行錯誤の跡が垣間見られる。

 本展では、馬場の絵本やマンガの仕事を紹介するとともに、50年分のスケッチブックや、自身の楽しみのために制作した絵画、立体作品を展示。また交友関係などにも光を当て、「描いてつくって楽しんだ」ひとりのマンガ家の軌跡をたどる。