EXHIBITIONS
寺内曜子 パンゲア/コレクション展: ひとつの複数の世界
豊田市美術館は「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」(7月10日~9月20日)の開催にあわせ、「世界をどのように見るか」という視点から2つのテーマ展示を行う。
1つ目のテーマ展示は、美術家・寺内曜子によるインスタレーション「寺内曜子 パンゲア」。1979年にイギリスに渡り、セント・マーチンズ美術学校でアンソニー・カロに学んだ寺内は、「モノ」として提示されてきた従来の「彫刻」に疑念を抱くようになると、以来、一貫して「コト」の現れとしての「彫刻」に取り組んできた。そのなかで寺内が変わらずに考えてきたのは、「私たちの認識がいかに不確かで部分的、一面的に過ぎないか」ということだ。
「寺内曜子 パンゲア」のインスタレーションは、豊田市美術館の展示室2全体を使い、私たちが見ているのは世界のほんの一部でしかないということを実感させる試み。正方形の展示室の壁に水平に引かれた赤い線が屋外へと延びていき、いっぽう展示室中央にある小さな球には赤い線が入り組み、いずれの赤い線も一続きのものとしてとらえることができない。
タイトルにある「パンゲア」は、大陸移動説において、大陸が現在のように分裂する以前のひとつだった時代の姿に与えられた名前(パン=すべての+ガイア=土地)に由来し、もはや失われて、知りようのない一続きの大陸の名の使用にも、寺内の考えが象徴的に表れている。
もうひとつの展示は、同館コレクションによる「ひとつの複数の世界」。モンドリアンやその仲間が活動の場とした「デ・ステイル」では、抽象に基づく造形制作を通して、絶対的な世界へと到達することが目指された。本展示では、複数世界への視座を持ち、私たちの認識の外部を想像させてくれる作品を選び、寺内の4点の作品とともに紹介する。出展作家は、高松次郎、岡﨑乾二郎、額田宣彦、杉戸洋。
1つ目のテーマ展示は、美術家・寺内曜子によるインスタレーション「寺内曜子 パンゲア」。1979年にイギリスに渡り、セント・マーチンズ美術学校でアンソニー・カロに学んだ寺内は、「モノ」として提示されてきた従来の「彫刻」に疑念を抱くようになると、以来、一貫して「コト」の現れとしての「彫刻」に取り組んできた。そのなかで寺内が変わらずに考えてきたのは、「私たちの認識がいかに不確かで部分的、一面的に過ぎないか」ということだ。
「寺内曜子 パンゲア」のインスタレーションは、豊田市美術館の展示室2全体を使い、私たちが見ているのは世界のほんの一部でしかないということを実感させる試み。正方形の展示室の壁に水平に引かれた赤い線が屋外へと延びていき、いっぽう展示室中央にある小さな球には赤い線が入り組み、いずれの赤い線も一続きのものとしてとらえることができない。
タイトルにある「パンゲア」は、大陸移動説において、大陸が現在のように分裂する以前のひとつだった時代の姿に与えられた名前(パン=すべての+ガイア=土地)に由来し、もはや失われて、知りようのない一続きの大陸の名の使用にも、寺内の考えが象徴的に表れている。
もうひとつの展示は、同館コレクションによる「ひとつの複数の世界」。モンドリアンやその仲間が活動の場とした「デ・ステイル」では、抽象に基づく造形制作を通して、絶対的な世界へと到達することが目指された。本展示では、複数世界への視座を持ち、私たちの認識の外部を想像させてくれる作品を選び、寺内の4点の作品とともに紹介する。出展作家は、高松次郎、岡﨑乾二郎、額田宣彦、杉戸洋。