EXHIBITIONS

Viva Video!久保田成子展

2021.06.29 - 09.23

久保田成子 スケート選手 1991-92 久保田成子ヴィデオ・アート財団蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021)
撮影=吉原悠博 © Estate of Shigeko Kubota

久保田成子 韓国の墓 1993 久保田成子ヴィデオ・アート財団蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021)
撮影=吉原悠博 © Estate of Shigeko Kubota

久保田成子 手前は《デュシャンピアナ:自転車の車輪1、2、3》、奥は《三つの山》(原美術館での展示風景、1992)
撮影=内田芳孝 Courtesy of Shigeko Kubota Video Art Foundation; © Estate of Shigeko Kubota

久保田成子 デュシャンピアナ:階段を降りる裸体 1975‒1976 /1983 富山県美術館蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021)
撮影=吉原悠博 © Estate of Shigeko Kubota

久保田成子 三つの山 1979  Photo by Peter Moore Courtesy of Shigeko Kubota Video Art Foundation; © Estate of Shigeko Kubota

久保田成子 ナイアガラの滝 1985/2021 久保田成子ヴィデオ・アート財団蔵(新潟県立近代美術館での展示風景、2021) 
撮影=吉原悠博 © Estate of Shigeko Kubota

 ニューヨークを拠点に活躍したヴィデオ・アートのパイオニア、久保田成子(1937〜2015)。その没後初、日本では約30年ぶりの個展「Viva Video!久保田成子展」が国立国際美術館に巡回する。

 新潟で生まれた久保田は、1960年代前半の東京で「グループ音楽」や「ハイレッド・センター」といった同世代の前衛芸術家たちの仕事に触発され、さらなる可能性を切り開くべく渡米した。ニューヨークでは前衛芸術家集団「フルクサス」に参加。70年代初頭にはパートナーであるヴィデオ・アーティストのナムジュン・パイク(1932〜2006)を通じてヴィデオカメラを手に入れ、映像作品を手がけるようになった。

 久保田はこれを機に、映像と彫刻を組み合わせた「ヴィデオ彫刻」の制作を開始。ヴィデオ彫刻のジャンルの先駆的な存在として国際的に評価されることとなる。2015年に作家が亡くなった直後、その遺産を保護し、さらに発展させるために、久保田成子ヴィデオ・アート財団がニューヨークに設立された。

 本展の趣旨は、アメリカを拠点に日本人女性アーティストとして活動した久保田について、最新研究に基づいた新たな作家像を提示すること。

 マルセル・デュシャンとの出会いからつくられた代表作の「デュシャンピアナ」シリーズをはじめ、夫ナムジュン・パイクの故郷の墓をモチーフにした《韓国の墓》(1993)など日本初公開作を含むヴィデオ彫刻、映像作品、それらのためのスケッチやアーカイヴ資料などにより、久保田の仕事を展覧する。

 なお本展は国立国際美術館の次に、東京都現代美術館(11月13日〜2022年2月23日)へ巡回予定。