EXHIBITIONS

呼吸の部屋

2021.03.05 - 03.21

エディ・デュビアン Rapide printemps 2020 ©︎ Edi Dubien

キャシー・ブルギ Florester Series 2020 ©︎ Cathy Burghi

 東京を拠点に活動するキュレーター・デュオ「S_Z」主催のグループ展「呼吸の部屋」がThe 5th Floorで開催。フランス、ブラジル、アメリカ、中国からアート作品を招き、そのフィジカルや精神的放浪意欲を称える。

 参加作家は、エディ・デュビアン、キャシー・ブルギ、ゲイリー・ヒル、ロバート・カエン、サイモン・フェイスフル、エディン・ベレス、クラリス・ロビン、黎雨詩(リ・ユシ)、エマ・ディ・オリオ、温粥(ウェンチョウ)の10名。

 会場はセクシュアリティと自然に関する既成概念を柔軟に破裂させる3つの部屋で構成され、最初の部屋は、文化的アイデンティティ、女性のアイデンティティ、メモリ・移行などの分野に関心を持つキャシー・ブルギの作品展示から始まる。

 次の部屋ではS_Zによるプロジェクト「ザ・ライケン・バー」を展開。隠れ家のような部屋は複合的な生命体でもあり、そのなかでクラリス・ロビン、黎雨詩、エマ・ディ・ オリオの平面作品と、ゲイリー・ヒル、サイモン・フェイスフル、ロバート・カエン、エディン・ベレスのヴィデオ作品を公開する。

 3つ目の部屋では、フランス出身のエディ・デュビアンを紹介。孤独な子供時代の回想と割り当てられた性同一性の修正、動物や森の純粋に有機的な環境に浸りたいという深い願望からつくられる作品が展示される。そして屋上には、エコロジーの概念を取り込んだ手法で制作を行う温粥が、繊維の沼を立ち上げる。

 部屋に取り込んだ作品たちは、生態学的相互作用、環境政治を再考し、セクシュアリティとジェンダーが純粋に決定されたことではなく、複雑な生物学的、政治的な集合体として生まれ変わるプロセスであることを唱える。そして種を超えたエコセクシュアリティの考察を可能にし、ポストヒューマンの身体性を含む愛のための倫理的・政治的開放を可能にしようとする。