志水児王「threshold」・中野渡尉隆 「霧／層」

　広島を拠点に活動する志水児王（じおう）、中野渡尉隆（やすたか）の個展を同時開催する。

　志水は、光や音といったメディアが引き起こす物理現象を基に、知覚の限界を超えた世界を視覚的、聴覚的に表現。

　中野渡は近年、スプレーガンやエアーブラシなどによって塗料や顔料の微細な粒子を堆積していくことで、雪、水蒸気、結露のような図像をつくり出している。

　本展にて、志水は、レーザー光線を特殊な方法でガラスに反射・通過させモワレ状の波形をつくりだすインスタレーションや、Twitterを世界規模で監視し、設定した特定のワードがつぶやかれた瞬間に発光パネルが点灯する作品などを展示。中野渡は「霧 / 層」と題し、具体的な自然現象を切り取った光景のようでいて、宇宙空間を彷彿とさせるスケール感のあるシリーズの新作を発表する。

　2人の作品は、日々知覚される現象や物質をそのまま拡張させ、未知の世界をリアルな体験として覗かせてくれる装置となるだろう。