EXHIBITIONS

鈴木操、髙橋銑、原田裕規「damp plosive roam」

2021.02.06 - 02.27

「damp plosive roam」展 ビジュアル

mcg21xoxo 外観

 鈴木操、髙橋銑、原田裕規が企画展「damp plosive roam」を開催。会場となる「mcg21xoxo」のディレクションに呼応しつつ、アーティスト3名が、生物と無生物、自然と人間、意味と無意味といった対関係を曖昧にするオブジェクトを配置し、空間を構成する。

「mcg21xoxo」は2020年12月、千葉県松戸市にオープンしたアートスペース。同スペースディレクターのTaka Konoによる一貫した空間ディレクションを通して、「未来において残骸と化したホワイトキューブ」を仮想し、従来のギャラリーのあり方を見直すことを目的としている。

 本展タイトル「damp(湿った)、plosive(破裂音)、roam(ぶらつく)」は、それぞれの単語が組み合わさり意味を構成しているのではなく、生理的・心理的な感覚を喚起させる単語をバラバラに羅列したもの。これらの単語は、都市生態において現れる「外来性」の気配を追跡する指標として選ばれた。

 近年広告的に使われる「エシカル消費」や「サステナビリティ」といったキーワードが、人々のエコロジカルな善意を表層的な次元に留めてしまう可能性があること。またコロナ禍にあって、人間機械論的なAIなどへの志向が自然に環境化されつつある状況を踏まえ、本展の着想は、エコロジーとAIといった対関係ではなく、その第三項として外来性、人間の認識からあふれるものを示すことにある。

 記憶の彼方の光景、聞き覚えのないはずの鳴き声、無意味に存在するガラクタなど、社会的な生活空間に存在しながらも、人間の尺度や時間にとって外来であるような詩的なモノたちによって、現在の複雑な社会状況を照らし出すことを目論む。