EXHIBITIONS

視ることの楽しみ ― 画材と素材の引き出し博物館

2021.01.16 - 01.31

画材の引き出し博物館 目黒区美術館蔵

画材の引き出し博物館-天然顔料[天平の色]  目黒区美術館蔵

画材の引き出し博物館-顔料から絵具へ[西洋画] 目黒区美術館蔵

 展覧会活動と同時に、地域の美術館として教育普及活動にも力を注いできた目黒区美術館。体験を重視したワークショップ活動の積極的な展開をはじめ、展示と教育普及活動を結ぶものとして、美術の画材・素材に目を向け、教材の制作や教材のコレクションを行ってきた。

 その代表的なものが「画材と素材の引き出し博物館」。これはキャスターつきの木箱に、縦一列の引き出しがついた同館のオリジナル教材で、それぞれの引き出しには画材や素材がテーマ別に体系的に収められている。

 引き出しの数は全部で81個。引き出しをそっとあけてみると、そこには絵具の原料や、日本画材と洋画材の違い、素材の特徴や表情、道具の加工工程などが実物資料でビジュアルにレイアウトされ、これまで知らなかった画材や素材そのモノ自体が放つ独特の魅力に気づかされる。

 本展では、同館オリジナルの「画材と素材の引き出し博物館」を紹介。様々な美術の表現を支えてきた画材や素材の、モノとしての成り立ちや特徴を知り、長い歴史のなかで加えられてきた人智や人間の細かな配慮や技術の確かさといった、モノと人との関わりに目を向けることは、美術を能動的に「視る」楽しみにつながるだろう。