EXHIBITIONS

生誕150年 大下藤次郎と水絵の系譜

2020.12.25 - 2021.01.25, 2021.01.27 - 02.20

大下藤次郎 猪苗代 1907 島根県立石見美術館蔵(前期展示)

大下藤次郎 檜原湖の秋 1907 島根県立石見美術館蔵(後期展示)

吉田ふじを 少女と網を持つ少年 1902 府中市美術館蔵(前期展示)

 明治期に水彩画ブームを巻き起こした立役者、大下藤次郎の生涯と画業を振り返る展覧会「生誕150年 大下藤次郎と水絵の系譜」が開催される。

「水絵」とは水彩画のこと。顔料とアラビアゴムを主成分とし、水を溶剤とする水彩画の絵具は安価で扱いやすく、学校の教材にも使用されるなど、私たちにとってもっとも身近な画材のひとつとなっている。

 大下藤次郎は、水彩画の普及に人生を捧げ、自らも水彩画家として活動。水彩画の啓蒙的な手引書『水彩画之栞』をはじめとした著書や、水彩画の専門誌から出発した美術雑誌『みづゑ』などの出版物、また講習会などを通じて水彩画表現の魅力を伝えた。

 本展では、日本における水彩画の地位を確立した大下の仕事を改めて振り返るもの。明治期を代表する水彩画の名品の数々とともに、大下が自らの道を歩む過程で出会った人々や、水彩画を愛した仲間たちの作品も紹介する。

 主な出展作家は、吉田ふじを、丸山晩霞、三宅克己、アルフレッド・ウィリアム・パーソンズ、石井柏亭ら。