EXHIBITIONS

特別展

日本の色-吉岡幸雄の仕事と蒐集-

2021.01.05 - 04.11, 2021.04.14 - 05.09

源氏物語 澪標

源氏物語 蘇芳のかさね 袖部分

古代印度更紗(赤星家旧蔵)

古裂帖(旧野村コレクション)

吉岡幸雄

 細見美術館が特別展「日本の色-吉岡幸雄の仕事と蒐集-」を開催する。2019年に急逝した染織史家・吉岡幸雄を追悼し、その業績を回顧する没後初の展覧会。

 吉岡は1946年京都市生まれ。生家は、京都で江戸時代末期から続く染色工房の「染司よしおか」。1973(昭和48)年に図書出版「紫紅社」を設立し、美術工芸の雑誌・全集・豪華本などを編集・出版や、CM制作や美術展覧会の企画にも携わった。

 1988年、「染司よしおか」の五代目当主に。染織史家でもあった吉岡は、古来の文献をひも解いて伝世の染織遺品をはじめとする古今東西の美術工芸を研究し、伝統の色彩を追求。1991~93年のあいだに、薬師寺三蔵院の幡、薬師寺「玄奘三蔵会大祭」の伎楽装束、東大寺の伎楽装束を手がけた。

 また各地に伝わる染料・素材・技術を訪ねてその保存と復興に努め、社寺の祭祀、古典文学などに見る色彩や装束の再現・復元にも尽力。2008年には『源氏物語』の色五十四帖を再現する。京都府文化賞功労賞(2009)などを受賞。『日本の色辞典』『源氏物語の色辞典』『王朝のかさね色辞典』(いずれも紫紅社)、『千年の色 古き日本の美しさ』(PHP研究所)など多数の著書を残した。2019年9月没。

 本展では、吉岡の美への憧憬と本質を見極める眼、そして飽くなき探求心によって成し遂げられた、仕事と蒐集の軌跡を紹介する

※細見美術館は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月27日から緊急事態宣言発出期間の終了まで全館休館。最新情報は公式ウェブサイトへ。