EXHIBITIONS

東京藝術大学青木淳研究室

シン・マサキキネンカン

東京藝術大学構内 正木記念館
2020.12.05 - 12.13

「東京藝術大学青木淳研究室 シン・マサキキネンカン」展より

「東京藝術大学青木淳研究室 シン・マサキキネンカン」展より

「東京藝術大学青木淳研究室 シン・マサキキネンカン」展より

「東京藝術大学青木淳研究室 シン・マサキキネンカン」展より

「東京藝術大学青木淳研究室 シン・マサキキネンカン」展より

 建築の世界では、「空間」とは、複数の事物の間に張りめぐらされている関係を指す。青木淳研究室では修士1年生が共同しながら、そうした意味での「空間」を扱い、手を加える、広い意味での「リノベーション」に取り組んでいる。

 今回の「空間」となるのは東京藝術大学正木記念館。同館は1935(昭和10)年、東京美術学校(現・東京藝術大学)の第5代校長・正木直彦の長年にわたる功労を記念して建設された、近代和風様式の鉄筋コンクリート造で、建物2階は正木の希望により書院造の和室が設けられている。

 東京都美術館や黒田記念館などが歴史的な美術作品を収蔵するのに対し、正木記念館は主に学生や若手美術家の新作を披露する場としての役割がある。いっぽうでその設えから、茶会や研究活動などのためにも利用されてきた。

 本展は、あらゆる状況が交差する正木記念館のあるべき姿を目指すとともに、「美術展」とは何かを建築的視点で問うプロジェクト。「建築や空間は人が利用することで初めて完成する」として、いかなる現象も本展の要素となることを前提にして、館内に様々な「変化」を散りばめ、正木記念館の空間的な自由を表現する。

 これによって、会期中には、いままでにない正木記念館の風景が現れることとなる。展示されるのは、正木記念館そのもの。その行為に、本質的な「美術展」のあり方が浮き彫りとなることが期待される。