EXHIBITIONS
青山悟、池田学、金子富之、近藤聡乃、森淳一、山口藍
Uninterrupted Wanderー不断の彷徨
ミヅマアートギャラリーは2020年最後の展覧会として所属作家6名、青山悟、池田学、金子富之、近藤聡乃、森淳一、山口藍によるグループ展「Uninterrupted Wanderー不断の彷徨」を開催する。新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが世界を変えた一年。本展が、コロナ禍においても作家たちの絶え間ない創作とその思いを感じられる機会になれば、としている。
今年、とくに世界の変化に鋭敏な態度を示した作家のひとりだった青山悟。4月の緊急事態宣言直後にスタートした自身のオンラインストア「Everyday Art Market」は、「非日常」な毎日であっても「日常」的に制作を続けることをモットーに、日々即興的に刺繍するシリーズを発表している。今回は「Everyday Art Market」の新作を展示。
細かなペンを使い、線の集積によってミクロからマクロな画面へと展開していく池田学。アメリカを拠点とし、近年は企業のスタジオを開放してもらい大作に挑んでいた池田の日常もまた、大きく変化せざるをえなかったと言う。本展では作家の現在が反映された小作品を展示する。
金子富之は、幼少より土俗的な精神世界へ興味を持ち、主に妖怪や精霊、神々など、目に見えない精神世界を描き続けている。本展で展示をする《武蔵野龍神》は、巨大な積乱雲から大粒の雹(ひょう)が降りだす様子を見た金子が、圧倒的な自然の力を感じ、天空にも龍の存在を意識した経験をもとに、埼玉にかつてあった武蔵野という広大な野原に宿る龍を描いた作品。本作とともに手のひらサイズの虎を描いた豆虎シリーズなども併せて発表する。
ニューヨーク在住の近藤聡乃は、自身の原初的経験や記憶をアニメーションやマンガ、絵画やエッセイなどの手法を用いてたおやかに表現してきた。最近では、初の長編恋愛マンガ『A子さんの恋人』を、6年半の歳月をかけて完結。本展では、マンガ連載後にアニメーションを制作しようと、2014年から作業の合間に描いてきた「アニメーションのためのドローイング」シリーズを公開する。
森淳一は、故郷・長崎の戦争の傷跡、それを背負ってきた歴史と歪みを静かに見つめ作品に投影してきた。本展では、長崎で被曝したマリア像がモチーフの最新作を展示。また本人が企画を務めるグループ展「Public Device ——彫刻の象徴性と恒久性」(東京藝術大学美術館 陳列館、12月11日〜25日)では、軍艦島をモチーフとした作品の発表を予定している。
「とうげのお茶や」で暮らす遊女たちの姿を通し、「ただひたすらに美しいと感じられるものがつくりたい」と制作を続ける山口藍。2018年より描いている「七十二候」シリーズは、季節の移ろいや自然の変化、機微を汲み取り、そこに少女たちの視点を重ね合わせる。情勢を敏感に受け取り、繊細に作品へと昇華する山口は、世界が変わりゆくなかでも制作を続け、私たちに季節の巡りや時間の大切さを気づかせてくれる。本展では新作を中心に板絵、和紙、陶器など多様な素材でつくられた作品を展示する。
今年、とくに世界の変化に鋭敏な態度を示した作家のひとりだった青山悟。4月の緊急事態宣言直後にスタートした自身のオンラインストア「Everyday Art Market」は、「非日常」な毎日であっても「日常」的に制作を続けることをモットーに、日々即興的に刺繍するシリーズを発表している。今回は「Everyday Art Market」の新作を展示。
細かなペンを使い、線の集積によってミクロからマクロな画面へと展開していく池田学。アメリカを拠点とし、近年は企業のスタジオを開放してもらい大作に挑んでいた池田の日常もまた、大きく変化せざるをえなかったと言う。本展では作家の現在が反映された小作品を展示する。
金子富之は、幼少より土俗的な精神世界へ興味を持ち、主に妖怪や精霊、神々など、目に見えない精神世界を描き続けている。本展で展示をする《武蔵野龍神》は、巨大な積乱雲から大粒の雹(ひょう)が降りだす様子を見た金子が、圧倒的な自然の力を感じ、天空にも龍の存在を意識した経験をもとに、埼玉にかつてあった武蔵野という広大な野原に宿る龍を描いた作品。本作とともに手のひらサイズの虎を描いた豆虎シリーズなども併せて発表する。
ニューヨーク在住の近藤聡乃は、自身の原初的経験や記憶をアニメーションやマンガ、絵画やエッセイなどの手法を用いてたおやかに表現してきた。最近では、初の長編恋愛マンガ『A子さんの恋人』を、6年半の歳月をかけて完結。本展では、マンガ連載後にアニメーションを制作しようと、2014年から作業の合間に描いてきた「アニメーションのためのドローイング」シリーズを公開する。
森淳一は、故郷・長崎の戦争の傷跡、それを背負ってきた歴史と歪みを静かに見つめ作品に投影してきた。本展では、長崎で被曝したマリア像がモチーフの最新作を展示。また本人が企画を務めるグループ展「Public Device ——彫刻の象徴性と恒久性」(東京藝術大学美術館 陳列館、12月11日〜25日)では、軍艦島をモチーフとした作品の発表を予定している。
「とうげのお茶や」で暮らす遊女たちの姿を通し、「ただひたすらに美しいと感じられるものがつくりたい」と制作を続ける山口藍。2018年より描いている「七十二候」シリーズは、季節の移ろいや自然の変化、機微を汲み取り、そこに少女たちの視点を重ね合わせる。情勢を敏感に受け取り、繊細に作品へと昇華する山口は、世界が変わりゆくなかでも制作を続け、私たちに季節の巡りや時間の大切さを気づかせてくれる。本展では新作を中心に板絵、和紙、陶器など多様な素材でつくられた作品を展示する。