EXHIBITIONS

上田 薫 展

2020.11.14 - 2021.01.11

上田薫 ジェリーにスプーン C 1990 埼玉県立近代美術館蔵

上田薫 スプーンのジャム A 1974 東京都現代美術館蔵

上田薫 なま玉子 A 1975 群馬県立近代美術館蔵

上田薫 あわ D 1979

上田薫 サラダ E 2014

 上田薫(1928〜)は、写真を使って対象を精巧に描き出す画家。東京藝術大学で油彩を学び、主に抽象画を制作していた上田は、1956年に映画ポスターの国際コンクールで国際大賞を受賞したことをきっかけに、グラフィックデザインの世界へ足を踏み入れる。

 上田はそれからしばらく絵画制作からは離れるが、70年に対象そのものだけを写実的に描く表現「クソリアリズム」(本人曰く、制作に行き詰まったときに頭を空っぽにするための表現)に目覚めて以後、時にデザインの世界で学んだことを活かしながら、現実以上にリアルに見える作品を次々と生み出していく。

 作品のモチーフの多くは、殻が割られた瞬間の生玉子、スプーンから流れ落ちそうなジャム、水の流れや空など、一瞬で姿を変えるもの。時間と空間とを切り取る上田の鮮烈な描写は、リアリズム絵画のなかに独自の位置を占めるものとして高く評価されている。

 本展では、これまでまとまったかたちで紹介される機会の少なかった上田の歩みを、大学卒業後から現在までの作品約80点とともに紹介。時間の流れ、空間の広がり、そして何気ない日常を驚きに変える上田流のリアリズムの世界を楽しんでほしい。