EXHIBITIONS

日本の美術を貫く 炎の筆《線》

2020.09.19 - 11.23

丸田恭子 マイナスの質量 1995 個人蔵

椛田ちひろ 死に死に死に死んで死の終りに冥し 2020 個人蔵

小出楢重 帽子のある静物 1923(大正12) 西宮市大谷記念美術館蔵

 開館20周年を迎えた府中市美術館が展覧会「日本の美術を貫く 炎の筆《線》」を開催。作品をかたちづくる重要な要素である「線」に着目し、火焔型土器から近世、近現代までの作品を展示する。

 生命が、喜びがあふれ出すような「線」、ほほえむような柔らかな「線」、清らかな緊張感のある「線」、音楽のように流れる「線」など、日本の美術は様々な「線」の表現で満ちあふれている。その線を目でたどっていくと、画家たちの「熱気」を直に感じることができそうだ。

 本展では、土器や刀、禅画、日本画、油彩画など様々な分野の作品約130点が集結。作家たちが一本一本に魂を込め、優しく、時に力強く描いた、作品のなかで生動する「線」の表現に焦点を当てる。

 府中市美術館は予定していた開館20周年記念展を、新型コロナウイルス感染予防のために延期することとなり、急遽、本展を企画。先行きの見えない状況下にあって、作品鑑賞を通じ、人々が「元気」になれるような展覧会となることを願う。