EXHIBITIONS

UNLEASHED SPEED UNLEASHED SPEECH(MISFITS)

2020.09.05 - 12.19

ステファン・ブルッゲマン Playback Free Speech 2020 © Stefan Brüggemann

ステファン・ブルッゲマン Headlines & Last Line in The Movies, installation view, KOTARO NUKAGA, 2019

オリオール・ヴィラノヴァ Sunday, exhibition view Fundació Antoni Tàpies, Barcelona Photo by Roberto Ruiz

ジェイ・レヒシュタイナー Bad Painting 89: "If they die, let him dump them in a forest in Germany,"
Mr. Lahoo said. 71 migrants suffocated in the back of a lorry 2018 © Jay Rechsteiner

ガーダー・アイダ・アイナーソン Untitled(Grave) 2019 © Gardar Eide Einarsson

 KOTARO NUKAGAは、ステファン・ブルッゲマンのキュレーションによる展覧会「UNLEASHED SPEED UNLEASHED SPEECH(MISFITS)」を開催。本展には、ブルッゲマンとともに、国際的に活躍するアーティスト3人、オリオール・ヴィラノヴァ、ジェイ・レヒシュタイナー、ガーダー・アイダ・アイナーソンが参加する。

 ブルッゲマンは1975年メキシコ生まれ。欧米諸国で展覧会を重ね、2018年秋にKOTARO NUKAGAにて開催した日本初の個展は、現代のデジタルカルチャーを反映したシリーズ作品が好評を博した。

 ヴィラノヴァはブリュッセルを拠点に活動。本展では、自身が好むリサーチの場である蚤の市を物色し、その結果、累積したポストカードで、芝居やインスタレーション、パフォーマンスの基盤となるコンセプトを提供する「シンキング・マシン」を発表する。

 レヒシュタイナーは1971年スイス・バーゼル生まれ。スイスとイギリスで美術を学んだ後、90年代に日本に移住する。絵画制作活動を経て、2001年にヨーロッパへ帰国。現在はイギリスの南東部に位置するマーゲイトを拠点に活動している。レヒシュタイナーは自らの絵画シリーズを「バッド・ペインティング」と名づけ、鑑賞者の印象に依らず、「良い」「まともな」技法の制約から自身を解放するため「悪」の絵を描いている。

 アイナーソンは1976年ノルウェー・オスロ生まれ。国立芸術アカデミー・ベルゲン校(ノルウェー)、ブラウンシュヴァイク芸術大学(ドイツ)、ニューヨーク・ホイットニー美術館のインディペンデント・スタディ・プログラムを経て美術を学ぶ。現在、東京を拠点に活動。黒を基調とした絵画や、版画や彫刻などを手がけ、その作品はニューヨーク近代美術館、サンフランシスコ近代美術館、フランクフルト現代美術館、ストックホルム近代美術館、オスロ国立美術館などに所蔵されている。

「この展覧会は、資本主義が大惨事に陥るなかでの人間行動の社会学的記録だ。さらに言えば、政治というシステムのなかでいかに生きるかの指南書でもあるのだ(展覧会ステートメントより)」と言葉を寄せるブルッゲマン。本展では、それぞれが異なる背景と作風を持ちながらも、情報が氾濫し加速を続ける現代の状況を鋭く見つめる4人のアーティストの作品を通して、アートと、そして社会に対する新たな視点を提示する。