奇才-江戸絵画の冒険者たち-

　伊藤若冲や曾我蕭白など、思いもよらない「奇」なる発想で斬新な表現に挑んだ絵師たち。江戸時代には、斬新かつ奇抜な表現で、既成の殻を打ち破った絵師たちが全国で活躍していた。

　従来、狩野派を中心に語られてきた江戸絵画史。しかし1960年代末頃から「傍流」とみなされていた若冲らの個性を「奇想」として評価する動きが活発となり、同時に、全国各地で魅力あふれる絵師たちが次々と見出され、今日の「江戸絵画ブーム」につながる。

　本展では、「奇」の追求こそが江戸絵画史の主流であったことを、近年の「江戸絵画ブーム」の立役者となった若冲や蕭白をはじめ、35人の奇才の作品によって紹介。奇想の絵師だけでなく、円山応挙や尾形光琳など「主流」とされる絵師たちの前例にとらわれない奇才ぶりにも着目する。

　さらに本展は、北海道から九州まで全国各地から自由な発想に富む作品を一堂に集め、「奇」の追求こそが江戸絵画の主流であったことを提示。奇才35人による個性の競演を堪能できるまたとない機会となる（会期中展示替えあり）。