EXHIBITIONS

Pet Shop Guys: Lost in Tokyo

チルチル、パパペピア、ヨアダ

2020.06.16 - 08.01

ヨアダ Napoleon's Journey to Fetch the Sutras 2019

チルチル A Brave New World 2019

パパペピア A-Scenes: Ocean 2018

 オオタファインアーツでは、マーティン・ゴヤ・ビジネス(MGB)の企画による3人展「Pet Shop Guys: Lost in Tokyo」を開催する。

 MGBは2017年に中国・杭州にて、映像作家のチェン・ランが設立した作家グループ。劇作家からタトゥーアーティストまでを幅広く取り込み、予測不可能な表現で人々を魅了してきた。

 本展では、MGBのメンバーから80後(バーリンホウ)や90後(ジウリンホウ)と呼ばれる世代に生まれた、チルチル、パパペピア、ヨアダの3人が自作を発表する。

 CGを多用したループするビデオ作品を通じて、シェア・エコノミーや新植民地主義といった現代社会に直結する主題を洗い出すチルチル(1990年生まれ)、人間や動物が発する「あ」という音に無限の宇宙を見出し、単細胞生物が繁殖を繰り返していく過程を思わせる平面作品や、ポリ塩化ビニルを使い、透き通った皮膚を持つ微生物を感じさせる立体作品を制作するパパペピア(1987年生まれ)、そして、幼少期に見たアニメやゲームのキャラクターなどをモチーフに、アクリルとスプレーによるグラフィティのようなタッチで、大衆文化を批判的に見返した作品を描くヨアダ(1987年生まれ)。

 3人の表現方法は、絵画、立体彫刻、ヴィデオと様々だが、技術が先導し急激に変化する中国社会の空気、そして違和感を伴い移入された資本主義や外国文化に影響を受けた作品は、これまでの中国アートに対する理解を大きく覆す。また、若手作家の支援活動も進めるそれぞれの取り組みは、社会のなかでアーティスト主体のエコシステムを模索する動向だと注視されている。