EXHIBITIONS

『日本書紀』の時代の筑紫

「評」と刻まれた瓦

 いまから1300年前の720(養老4)年に奏上された『日本書紀』。『日本書紀』は神代の巻からはじまり、持統天皇の時代までが記された歴史書であり、そのなかには、北部九州、または九州全体を指す「筑紫」を舞台にした出来事も多く記述されている。
 
 とりわけ『日本書紀』の後半は、列島内外での多くの戦乱のなかで中央集権国家が確立された時期。継体天皇が在位した527年には、筑紫の豪族磐井が九州で朝廷に対して反乱を起こしている。また宣化天皇が即位した536年には、朝廷が那津(博多湾岸)にて倉庫にあたる「官家」をつくり、そこに諸国の「屯倉」の穀物を運んだと書かれている。そして天智天皇在位時の663年には、白村江の戦いが起こり、大陸と近い場所にあった筑紫では水城が築かれ、防人が配置された。

 本展では、『日本書紀』に書かれている1300年以上前の「筑紫」の姿を、同時代の出土品で紹介する。

※福岡市博物館は緊急事態宣言の延長を踏まえ、5月31日まで臨時休館し、6月2日に再開予定。最新情報は公式ウェブサイトにて案内。