EXHIBITIONS

土田圭介 鉛筆画展 心の旅

モノクロームの世界で描く心のカタチ

土田圭介 ASHITA 2017

土田圭介 ボクらの翼 2008

土田圭介 THE WORLD 制作年不明

 縦線を無数に描き重ね、幻想世界を創出する鉛筆画家・土田圭介の展覧会が開催される。

 土田は1974年新潟県生まれ。一貫して「心」をモチーフに、鉛筆のみを使って描き続け、自分のなかにあるものを掘り起こしてかたちにしている。

 土田が心を静かに見つめて描き出すのは、具象でありながらも現実には存在しない、抽象と具象の中間の「かたち」。そのメカニックな造形は、硬さを感じさせる「鉄」という素材でありながら柔らかさを見せることで、自然と機械を融合したかたちとして、内に秘める生命力をとらえている。

 また土田の作品の一番の特徴である緻密な縦のストロークは、重なることで「揺らぎ」を生み出し、通常の鉛筆画が生み出す写実的なリアリティとは異なる靄がかかったような幻想的な世界と、生命のリズムを感じさせる。

 作家にとって公立美術館での初展示となる本展では、初期の作品から新作まで、独特のモノクロームの世界に描かれた作品約100点を紹介。「かたちのないもの」にかたちを与えることに専念する土田の世界観を、各々の感じるままに楽しみたい。

※武蔵野市立吉祥寺美術館は新型コロナウイルス感染症の感染予防のため、5月31日まで臨時休館。これに伴い、本展は6月1日に開幕予定。最新情報は公式ウェブサイトにて案内。