EXHIBITIONS

栗山斉「内なる無限の宇宙」

栗山斉 ∴0=1 - reflections 2017 “Islamic Arts Festival 20th Session” Sharjah Art Museum, シャルジャ(UAE)

 栗山斉(くりやま・ひとし)は1979年兵庫県生まれ、2011年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程を修了。現在は同大学で講師を務めながら制作活動を続け、科学実験を思わせる作品を展開している。

 17年の北アルプス国際芸術祭では、蒸発した水が冷やされ、雲や雨となって水に戻るという自然の循環を、独自の科学実験的装置を使って2つの土蔵のなかで表現。近年は「無」に関心を寄せており、「無からは何も生じない」という哲学の原理に対し、新たな実験装置型の作品を通して別の方向を探求しようとしている。

 本展では、「無から生じるものも何かあるのでは」という作家の関心に基づいて展示を構成。蛍光管を使った代表的なインスタレーションと、無から宇宙が創生されたというアレキサンダー・ビレンキンの仮説から着想し、極度の真空状態にあるガラスのなかで圧力を視覚化した作品を発表する。