上田良「空間連動朝機」

　身近なものを再構成したオブジェを撮影し、時と場を鮮やかに切りとるアーティスト・上田良（うえだ・やや）の個展が開催される。

　上田は1989年大阪府生まれ。自作のオブジェを被写体とした写真作品や、コラージュ、版画、ドローイングなどの制作するいっぽう、アーティストユニット「THE COPY TRAVELERS」の一員として複製の可能性について着眼した制作活動を行う。

　近年の主な展覧会に、「A Magpie’s Nest」（galerie16、京都、2018）、「めくるめくらむ」（awai art center／信州大学附属図書館、長野、2017）、「Small Scenery」（YEBISU ART LABO、愛知、2016）など。受賞歴に「群馬青年ビエンナーレ2019」奨励賞受賞、「新しい平面の作家たち VOCA展2017」VOCA奨励賞、「写真新世紀展2015」佳作賞受賞。

　本展では、写真作品と日々制作しているドローイングやコラージュ、版画作品など複数のシリーズを紹介。廃材や雑誌の切り抜き、スケッチや描き溜めたドローイングなど、どこからともなく集まってきた一部分をもとに作品群を展開する。

「立体や写真、ドローイング、版画など、異なるメディアでのアウトプットを平行して行うことで、別々の場所に存在していたものが、一見するとまどろっこしい手続きによって関係し合い、変容しながら作品に溶け込んでいく現場に立ち会うことができるのではないかと考えています（上田良）」