EXHIBITIONS

西野康造展「ただようー宙に」

西野康造 ただよう-宙に 2019 チタン合金、鉄

 西野康造は1951年兵庫県生まれ、77年京都市立芸術大学彫刻専攻科修了。チタンを主な素材として複雑な構造をつくり出し、軽やかで躍動感に満ちた彫刻作品を制作している。

 自然現象から着想を得た西野の作品は、素材の制作から構造計算にいたるまで緻密な計算によって構成。いっぽうで素材との対話を大切にし、自ら金属曲線をつくり上げることで作品を完成させている。

 2013年には、ニューヨークの第4世界貿易センタービルのエントランスホールに《スカイメモリー》が設置。野外彫刻、公共空間における作品を数多く発表し、風や人の運動によってかたちを変える彫刻は、作品が設置される場所の風景と戯れるように刻一刻と変化し、人々の心に深い印象を刻む。

 本展は西野による神戸での初個展。これまで野外展示を多く手がけてきた作家にとって、画廊や美術館という均一な時間の流れと空間でこそできる、新しく自由な表現への挑戦となる。