EXHIBITIONS

トルコ・トカットの木版〈バスク〉展

2019.07.20 - 09.01

バスクスカーフを身につけたフンドゥジャク村の遊牧民たち(トルコ北西部・ドマニチのフェスティバルにて)

バスクのスカーフをまとったトルコ女性

トカットの伝統モチーフ 「トカット・ヤルム・エルマルス(半分のリンゴ)」の版を押すバスク職人

木版を押すトカットのバスク職人

木版と版を押してから彩色した布

伝統モチーフ「ホロズ・クイロウ」(「雄鶏の尾」 の意)のバスクスカーフ

 トルコ北部・トカット県でつくられている木版プリント「バスク」に焦点を当てた初の展覧会が開催されている。

トルコ共和国北部の黒海地方に位置するトカット県は、600年の歴史を持つ「バスク」で有名な地。バスクとは、スカーフなどの布地に木版でハンドプリントをする手工芸のことで、乾燥させた菩提樹の木を特殊な道具で手彫りし、その木版にインクをつけ、布に押して制作される。

「バスク」は女性が被るスカーフとしても広く庶民に親しまれ、スカーフの布は職人が、そこに「オヤ」と呼ばれる縁飾りを各々がつけるのがならわし。日常的に身につけるものであるため、女性たちはこだわりを持って自分らしさを表すスカーフの色や柄を選んでいる。

 本展では、トルコ伝統手工芸の店「ミフリ」代表・野中幾美の協力のもと、伝統的なモチーフの木版やそれを使用したスカーフやテキスタイル100点以上を展示。ハンドプリントから機械による大量生産へとほぼ移行した現在、昔ながらに伝わる製法とその魅力を紹介する。