EXHIBITIONS

横山宏のマシーネンクリーガー展

立体造形でみせる空想世界

2019.07.13 - 09.01

横山宏 立体作品《ラプター》 © Kow Yokoyama

 立体造形やイラストレーションをはじめ多方面で活躍するクリエイター・横山宏の展覧会が開催されている。

 横山は1956年北九州市生まれ。幼い頃から少年雑誌に描かれた戦車や軍艦、架空のロボットに心を躍らせ、その模型づくりに没頭。11歳のときには故郷の「皿倉山の未来」をテーマに描いた作品が市内のコンテストで大賞を受賞するなど絵画にも才能を発揮し、武蔵野美術大学日本画学科に進学した。学生時代も模型への興味は変わることなく、また在学中は画家・合田佐和子のもとで「平面をいかに立体的に見せるか」を学び、「天井桟敷」などの劇団で舞台美術にも携わった。

 大学卒業後はSF専門誌にてイラストレーターとしてデビュー。模型の創作も並行して続けるなか、82年に模型専門誌『月刊ホビージャパン』で発表した、オリジナルパワードスーツ作品《A.F.S.》のハードSFのデザインで大きな反響を呼んだ。これが編集担当者の目にとまって、異色のSF作品『S.F.3.D オリジナル』の連載が急遽開始。遠い未来の地球で繰り広げられる独立戦争を、模型のジオラマ写真にストーリーを加えるフォトストーリーの形式で描き、84年には本作のプラモデルの製品化も実現した。その後、『S.F.3.D オリジナル』は『マシーネンクリーガー』と名前を変え、誕生から37年を経た現在も国内外を問わず根強い人気を得ている。

 本展は、横山の代表作『マシーネンクリーガー』を中心に、立体作品やイラストレーション、制作過程でのスケッチ、オリジナルの道具などを一堂に集めて紹介し、その創作活動の全貌に迫る初の試みとなる。