EXHIBITIONS

日本画の革命児 堂本印象 1891-1975

堂本印象 木華開耶媛 1929 京都府立堂本印象美術館蔵

堂本印象 運命の始めと終り(受胎告知) 1954 京都府立堂本印象美術館蔵

 京都に生まれ、戦前戦後の日本画壇に大きな足跡を残した堂本印象。西陣織の図案家を経て、京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)で学んだ印象は、在学中の1919年に第1回帝展に初入選。《木華開耶媛》(1929)をはじめ、古典や仏教を主題にした話題作を続々と発表し、21年の第3回帝展にて特選を、25年には帝国美術院賞を受賞するなど、一躍画壇の花形となった。

 戦後は、それまでの写生を基調とした画風から一転し、都会の人間群像を描いた《メトロ》(1953)などの社会風俗画を制作。55年以降は日本画での抽象表現に取り組み、その画風の変遷は世間を驚かせた。61年には文化勲章を受章し、日本画壇に不動の地位を確立した。

 本展では、京都府立堂本印象美術館の珠玉のコレクションから、伝統に学びながらもつねに新たな表現に挑み続けた、印象の多彩な画業の全貌を紹介する。