EXHIBITIONS

柚木沙弥郎の「鳥獣戯画」

柚木沙弥郎 歓喜のうた 2019 作家蔵 撮影=阿部健

柚木沙弥郎 いのちの樹 2018 作家蔵 撮影=阿部健

柚木沙弥郎 広巾布(部分) 1982 神奈川県立近代美術館蔵 撮影=上野則宏

柚木沙弥郎 型染布(広巾布)(部分) 1982 神奈川県立近代美術館蔵 撮影=上野則宏

柚木沙弥郎 トコ 2004 神奈川県立近代美術館蔵 撮影=佐藤克秋

柚木沙弥郎 老いたひまわり 2014 公益財団法人泉美術館蔵

絵本『雉女房』原画(作:村山亜土 絵:柚木沙弥郎) 2005 神奈川県立近代美術館蔵 撮影=上野則宏

絵本『雨ニモマケズ』原画(作:宮沢賢治 絵:柚木沙弥郎) 2016 公益財団法人泉美術館蔵

 終戦直後、「民藝」との出会いを機に染色の道を志した柚木沙弥郎。「民藝」をめぐって、工芸と美術、西洋と東洋、作家と職人といった区別を越えるべく、70年におよぶ創作活動のなかで染色にとどまらず、絵本や版画、彫刻へと表現の幅を広げてきた。

「用の美」の精神を引き継ぎながら、日々の喜びを彩り豊かな模様で表現した作品は国内外で高く評価され、近年ではフランス国立ギメ東洋美術館(2014)、日本民藝館(2018)で回顧展が開催。神奈川県立近代美術館 鎌倉別館では、2012年に「柚木沙弥郎展 村山亜土『夜の絵』とともに」展を開催し、絵本作家としての魅力を紹介した。

 葉山館で開催される本展では、同館のコレクションを中心に、新作「鳥獣戯画」をはじめ、型染布《歓喜のうた》《いのちの樹》は初公開。また、宮沢賢治『雨ニモマケズ』や、村山亜土のテキストに寄せた『雉女房』『トコとグーグーとキキ』などの絵本原画を通して、作家の「いま」を伝える。