EXHIBITIONS

広重が描いた静岡 東海道五十三次を中心に

2019.05.24 - 06.25

歌川広重 東海道五十三次 原(保永堂版) 

歌川広重 東海道五十三次 蒲原(保永堂版)

 江戸時代、徳川幕府によって整備が進められ、江戸と京都を結ぶ東海道には参勤交代の大名行列や寺社巡礼の庶民などが往来し賑わいを見せた。江戸後期に入ると旅が庶民にとって身近になり、『東海道名所図会』などの地誌や紀行文が盛行。また滑稽本『東海道中膝栗毛』が人々のあいだで人気となった。
 
 この時流に乗り、版元保永堂から刊行された歌川広重の『東海道五十三次』は大いに人気を博し、広重を浮世絵風景画家の第一人者に押し上げた。その後も「行書版」や「隷書版」など、続々と広重の下絵による東海道シリーズが出版された。

 本展は、東海道に置かれた53の宿場のうち静岡県内の22宿を取り上げ、広重の東海道シリーズから紹介するもの。作品には、各地の名所・名物、気候の特徴や伝承などが描かれ、当時の人々のその地に対するイメージを読み取ることができる。広重の臨場感溢れる作品を通して、江戸時代の「静岡の旅」を楽しみたい。