EXHIBITIONS

尾形光琳の燕子花図 -寿ぎの江戸絵画-

2019.04.13 - 05.12

尾形光琳筆 燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)(左隻) 6曲1双 紙本金地着色 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵 国宝

尾形光琳筆 燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)(右隻) 6曲1双 紙本金地着色 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵 国宝

桜下蹴鞠図屏風(おうかけまりずびょうぶ) 6曲1双 紙本金地着色 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵 重要美術品

伊年印 草花図屏風(そうかずびょうぶ) 6曲1隻 紙本青色 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

洛中洛外図屏風(らくちゅうらくがいずびょうぶ)(右隻) 8曲1双 紙本金地着色 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵 福島静子氏寄贈

洛中洛外図屏風(らくちゅうらくがいずびょうぶ)(右隻・部分) 8曲1双 紙本金地着色 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵 福島静子氏寄贈

 尾形光琳筆の国宝《燕子花図屏風》は、爛漫と咲き誇るカキツバタの群生を描いた草花図。『伊勢物語』の一節、三河国(現・愛知県)の八橋の場面に基づくとも言われており、また名のある所として和歌に詠われる八橋を描いた「名所」の風景としてもとらえることができる。
 
 本展は、「王朝文化への憧れ」「草花を愛でる」「名所と人の営みを寿ぐ」の3章で構成し、《燕子花図屏風》の多面性に注目する。第1章では、婚礼調度と制作されたと考えられる《源氏物語図屏風》など、平安時代以来の公家風俗や王朝文学を題材とした作品を展示。続く第2章では《燕子花図屏風》を中心に、草花を描いた作品を集める。そして第3章では、祇園祭に沸く京の都や、社寺参詣や物見遊山の人々で賑わう各地の名所絵を紹介する。

 王朝文化への憧れ、草花愛好、祭礼と遊楽。いずれも、江戸時代にもたらされた平和を生きる人々の喜びの現れであり、これらを描いた絵を通して、当時の様相を垣間見ることができるだろう。

 また、本展は根津美術館が所蔵する《洛中洛外図屏風》や《名所風俗図屏風》が揃う初の機会となる。