EXHIBITIONS

大江戸クルージング

2017.07.01 - 07.23

歌川国貞(三代豊国) 極暑あそび

 現在の東京からは想像もつかないほど、市中に堀や水路が縦横に張り巡らされ、隅田川や江戸湾にも囲まれた「水の都」であった昔の江戸。

 当時の浮世絵には、隅田川などの川で舟遊びを楽しむ人々や、現在のタクシーのように、各地の船宿から出る乗合船を交通手段として使う人々、そして日本各地から集まってきた物資を江戸市中に運ぶ舟運の様子などが数多く描かれており、水辺と船が庶民の生活に密着した、非常に身近な存在であったことがうかがわれる。

 なかでも両国の夏の納涼は江戸の一大イベント。両国周辺には船遊びや花火を楽しむ人々が大挙して押寄せ、川面には大小の船が所せましと浮かんでいたという。本展は、歌川国貞(三代豊国)の《極暑あそび》など、浮世絵を見ながら江戸のさまざまな水辺をクルージング気分でめぐる、夏にぴったりの展覧会となっている。