EXHIBITIONS

日本 - イスラエル AIR プロジェクト

ペレグ=ディション「What makes things fly」

2018.12.01 - 12.23

ペレグ=ディション Yuki Ona is the ghost in the machine 2016 Photo by Merav Maroodi

ペレグ=ディションFlood(部分) 2012 Photo by Elad Sarig

ペレグ=ディション Five Death Scenes(部分) 2017 Photo by Merav Maroody

制作予定の凧のプランドローイング

ボリス・シャッツの肖像画

 新潟・十日町市のArt Hotel やまきわ美術館と東京のWAITINGROOMが主催し、イスラエル大使館の共催で実施される「日本 - イスラエル AIR プロジェクト Yamakiwa / WAITINGROOM」。99名のイスラエル人アーティストの応募者の中から選ばれたペレグ=ディションが1ヶ月の滞在期間を経て、成果発表展を開催する。

 ディションは1979年生まれ。シンプルでありながら様々な形態へと変換可能な紙を主な素材に、手作業から最新のテクノロジー、プロジェクションや写真など、様々な手法を用いている。ユダヤの伝統的な切り絵文化の影響を受けるディションは、日本のクラフトの歴史が自身の制作にも大きな関わりを持っていると感じ、本プロジェクトへの参加を決めたという。

 本展では、イスラエルと日本の両国にアプローチし、イスラエル初の国立美術学校「ベツァルエル美術デザイン学院」設立者のボリス・シャッツによる書籍『Jerusalem rebuilt: A Daydream』を起点とした切り絵作品を発表。同書は日本をモデルとした平和主義な世界を理想に、100年後(当時から数えて2018年)のイェルサレムの再建を唱えている。

 実際には、母国で抗争が激化する最中で、ディションが切り絵のモチーフとしたのは、自由と希望の象徴する「凧」。偶然手にした100年前の和紙を使用し、ユダヤと日本の切り絵の技法を組み合わせて手がけた、大型の凧と小さい凧10体ほどからなるインスタレーションで、シャッツが想像したユートピアを現実に立ち上がらせることを試みる。