川島小鳥「つきのひかり あいのきざし」

　活動初期より人物とその周辺にある風景を中心に撮影してきた写真家・川島小鳥。『BABY BABAY』（2007）や『未来ちゃん』（2011）では、ドキュメンタリー映画のようにひとりの人物を追って記録し、その被写体が見せる一瞬の表情を逃さない作品は多くの人を魅了した。

　足掛け3年通った台湾が舞台とした『明星』（2014）で第40回木村伊兵衛賞写真賞を受賞。実在する台湾の人々を被写体としながら、見る者をファンタジーの世界に誘い込むような写真が高い評価を得た。近年、俳優をモデルに、少女から女性へ、少年から青年へと変化して行く過渡期をとらえた『20歳の頃』や『道』を発表している。

　本展は、川島の初となるモノクローム作品を軸とする新作の写真集『つきのひかり　あいのきざし』の出版を記念した個展。今回の写真集には、女優・尾野真千子とともに台湾と奈良を旅し、ふたりだけで共有した時間が収められている。

　会場では、写真集を特別特典つきで販売するほか、収録されなかった作品もプロジェクターで投影する予定。