EXHIBITIONS

林原美術館所蔵

大名家の能装束と能面

2018.10.06 - 11.25

鬘扇(かづらおうぎ)(表) 江戸時代 林原美術館蔵 前期展示

寶増(ほうぞう) 江戸時代 林原美術館蔵 通期展示

白地草花模様縫箔(しろじそうかもようぬいはく) 桃山時代 林原美術館蔵 通期展示 重要文化財

 室町時代に大成した日本の伝統芸能のひとつ「能」は、江戸時代に幕府の式楽となり、武家のたしなみとして、演能や能の稽古が大名の間で流行した。演能に使われる能装束は、武家の公服や平服をもとに、芸能衣装として桃山時代から江戸時代にかけて独自の道を歩む。能の幽玄な世界を表現するために、織や刺繍・摺箔(すりはく)と呼ばれる桃山時代以来の伝統的な加飾技法が使われ、重厚かつ豪華になっていった。

 とりわけ、大名家ではその経済力を基盤に、各時代の最高の技術を凝らして膨大な数の能装束がつくられた。能が盛んに演じられた岡山藩主池田家の名宝を受け継ぐ林原美術館には、質量ともに優れた同家伝来の能装束が所蔵され、大名家伝来の能装束として代表的な位置を占めている。

 本展では、1000点にもおよぶ能装束を所蔵する林原美術館から、重要文化財4点を含む、選りすぐりの能装束40点と鬘帯(かづらおび)40点、腰帯20点、中啓(ちゅうけい)10点、能面15点を展示。池田家における能の実態だけでなく、江戸時代の大名家で保有された能装束のスケールの大きさを紹介する。(重要文化財4点と能面を除き、前期・後期で展示替えあり)