EXHIBITIONS

五十嵐威暢の世界

2018.10.06 - 11.25

五十嵐威暢 MoMAポスターカレンダー(1988年3月) 1988 竹尾アーカイヴズ蔵

五十嵐威暢 Imono花器 KAZE Vase(四角) 1989頃 竹尾アーカイヴズ蔵

五十嵐威暢 彫刻「響」モデル 1986 竹尾アーカイヴズ蔵

新作制作風景 2017 撮影=酒井広司

新作制作風景 2017 撮影=酒井広司

 サントリーや明治乳業、カルピス、サミットストアなどのロゴを手がけ、多くのロングライフデザインを生み出してきたデザイナーの五十嵐威暢(いがらし・たけのぶ)。グラフィックデザイナーとして活動した1970年代半ば、建築設計用製図台を用いて、2次元の文字を3次元に起こした立体文字の作品で、世界的に注目される。

 94年には「デザイナー時代に置き忘れてきた半分を埋める仕事」として、彫刻家に転身。肥沃な大地を思わせるテラコッタのレリーフ、木の葉や花のかたちに合板を切り抜いた「こもれび」シリーズなど、「偶然性と即興性」を重点に、素材と向き合って創作される彫刻作品は、どこか自然の気配を残している。

 本展では、デザイナーとしての原点である73年の個展から彫刻家としての現在まで、仕事の変貌を示すポスターやプロダクト、彫刻など約150点を一堂に展示。「アートは日常の暮らしと風景によりそうことによって、人々の心をさらに豊かなものにする」と考える五十嵐がつくり出す、デザインとアートの融合空間を体感することできる。