EXHIBITIONS

鈴木昭男 音と場の探究

2018.08.04 - 10.21

鈴木昭男 階段に物を投げる 1963(雑誌『デザイン』(1976)のための再演) Photo by Nanae SUZUKI

鈴木昭男 音のオブジェと音具展 南画廊(東京) 1976

鈴木昭男 桜画廊(名古屋)でのパフォーマンス 1985頃 Photo by Junko WADA

鈴木昭男 ドクメンタ8(カッセル)でのパフォーマンス 1987 Photo by Teny Fox

鈴木昭男 日向ぼっこの空間 1988 Photo by Junko WADA

 日本におけるサウンド・アートの先駆者として知られる鈴木昭男。63年、名古屋駅のホームで行った《階段に物を投げる》に始まり、76年には南画廊(東京)にて初個展「音のオブジェと音具展」を開催。その後、フェスティバル・ドートンヌ・パリ(フランス、1978)や、ドクメンタ8(ドイツ、1987)に参加するなど、国際的な場での活動も本格化させた。

 88年、子午線上にある京都府網野町(現・京丹後市網野町)で《日向ぼっこの空間》を発表。秋分の日の1日をかけて、自然の音に耳を澄ます行為が話題となった。90年代以降はエコー音器「アナラポス」といった鈴木独自の方法や思考によって「聴く」という行為を探究し、コンセプチュアルなサウンド・インスタレーションを各地の美術館やギャラリーで展開している。

 2005年には世界各地で行われた、自然や都市の風景に耳を澄ますイベント「点音(おとだて)」を日本で初めて開催(和歌山市内と熊野古道なかへち美術館周辺)。現在は、ボン市立美術館でもインスタレーションを発表する(9月6日〜11月30日)など、精力的に活動を続けている。

 本展は、60年代より一貫して音と場の関わり方を模索し、音にまつわるイベントやパフォーマンス、インスタレーションなどを行ってきた、鈴木のこれまでの取り組みを振り返る。