EXHIBITIONS

アニエス・ヴァルダ

Bord de Mer

2018.06.12 - 08.04

アニエス・ヴァルダ Bord de Mer 2009 © Agnès Varda Courtesy Blum & Poe, Los Angeles/New York / Tokyo Photo by Genevieve Hanson

 1955年当時のフランス映画シーンで先駆的作品となった『ラ・ポワント・クールト』を生み出し、「ヌーヴェルヴァーグ(新しい波)」の母とも呼ばれるアニエス・ヴァルダの東京初個展が開催される。

 ヴァルダは『5時から7時までのクレオ』『ジャック・ドゥミの少年期』『落穂拾い』 といった数々の作品で注目を集め、ロカルノ国際映画祭名誉豹賞(2014)、カンヌ国際映画祭名誉賞(2015)、第90回アカデミー賞名誉賞(2017)を受賞。2003年には、映画監督からヴィジュアル・アーティストへと転身し、時間や空間、現実性をテーマとした立体作品やインスタレーションを発表してきた。

  本展は、過去、永続性、そして現在といった3つの異なる時間尺を描いた、2009年の映像インスタレーション作品《Bord de Mer(海岸)》を中心に展開。正面のスクリーンに投影されたスチルイメージは海景を映し、床上の台座では、寄せては返す波の動きを繰り返し投影される。

 あわせて、5ヴァルダの作品に度々登場する猫への眼差しをとらえた活動初期のモノクロ写真も同時に公開。本作は、ほどなくして映画の分野で脚光を浴びる作家の萌芽であり、写真というジャンルが映画作品やヴィジュアル・アート作品の創造とも密接に結びついていることを示している。