EXHIBITIONS

ウェザーリポート

風景からアースワーク、そしてネオ・コスモグラフィア

2018.06.30 - 08.26

千葉麻十佳 Melting Stone 2016

日高理恵子 樹を見上げてⅥ 1992 水戸芸術館蔵 撮影=加藤健

林武史 石間-野 2018 撮影=山本糾

クラウス・ダオフェン HANAZAKARI 花ざかり 2008(プリント2018) 作家蔵 プリント制作=永井文仁 撮影=山谷武重

松江泰治 JP-05 12 2012 松本大氏蔵

長重之 反統合野012 2013 作家蔵

千葉麻十佳 Melting Stone 2016

 巨大地震や台風、竜巻、大洪水などの気象を視覚化した風景画は、空間恐怖を克服するとともに空間の自由な表象化を固着し、今日の表象のモデルを提供することともなった。いっぽうで、天文学や地理学と美術が交差する機会の少なさから、風景概念の成立とほぼ同時期に誕生した「コスモグラフィア(地球画、宇宙画)」と呼ばれる図像が存在したことは、美術においては重視されていない。

 しかし、その後の望遠鏡などの光学装置、飛行機や宇宙探査機といった飛翔機械の目覚ましい発達によって、かつて風景画が提起した水平的眼差しとは異なるコスモグラフィアの垂直的な眼差しが、美術に視覚革命ともいうべき事態をもたらした。

 本展では、風景を成立させる大気の上層にある光源と地表、そして不可視の光源であるマグマを結ぶ垂直軸と月下的な水平軸の交差におけるダイナミズムに着目し、新たな世界画としてのネオ・コスモグラフィアの可能性を映像、写真、絵画、彫刻作品などから探る。

<参加作家>
クラウディオス・プトレマイオス、ニコラウス・コペルニクス、ペトルス・アピアヌス、J.M.W.ターナー、J.コンスタブル、カミーユ・コロー、クロード・モネ、デイヴィッド・コックス、川上澄生、棟方志功、清水登之、ヨーゼフ・ボイス、ロバート・スミッソン、ケネス・ノーランド クラウス・ダォフェン、デイヴィッド・ナッシュ、靉嘔、長重之、戸谷成雄、林武史、アンディー・ゴールズワージー、日高理恵子、鈴木理策、松江泰治、小山穂太郎、野村仁、山中信夫、トーマス・ルフ、田中功起、千葉麻十佳 ほか