EXHIBITIONS

江戸の悪 PARTⅡ

2018.06.02 - 06.27, 2018.06.30 - 07.29

落合芳幾 英名二十八衆句 佐野治郎左エ門 前期展示

 様々な悪人たちのイメージを、描かれた浮世絵から探る「江戸の悪」展がパワーアップし、3年ぶりに開催される。

 ドラマや映画、小説などで、悪役はときに主人公を凌ぐほどの存在感を放つことが少なくない。江戸を生きた人々も、すでにこの「悪」の持つ底知れぬ魅力を感じ取っていた。例えば、世間を騒がせた大盗賊が市中引き回しになると、その姿を一目見ようと街道は群衆で埋め尽くされたと言う。

 また、元禄に起きた赤穂事件などの大事件はすぐに芝居にも移され、吉良上野介は稀代の悪人としてのイメージを定着させたほか、幕末には、盗賊が登場する『白浪物』の芝居が流行し、盗賊や小悪党が人気を呼んだ。

 本展では、実在した悪人から物語に登場する架空の人物まで、江戸の「悪い人」たちが、人数も倍増し、再び大集合。『清玄桜姫物』の芝居に登場し、死してなお桜姫に執着し続ける破戒僧・清玄のように、屈折した恋愛感情がもたらした数々の悪事を紹介する「恋と悪」や、善と悪を行き来する筋立ての物語を取り上げる「善と悪のはざま」など、4章を通して江戸の悪に迫る。