鈴木蒼空個展「犬になる夢を見たい」

　下北沢アーツで、鈴木蒼空の個展「犬になる夢を見たい」が開催される。

　鈴木は1999年愛知県生まれ。2023年に愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻を卒業し、現在は愛知県立芸術大学博士前期課程油画・版画領域に在学している。鈴木は柴犬を溺愛するも、現在の住環境や飼うと耽溺のあまり普通の生活が送れなくなりそうという理由で一生飼うことは叶わないと思い込んでいる。また、ある冬、友人が持っていたカイロに毎日のように絵を描き、それを喜んでもらった経験から画家になることを考え始めた。鈴木は犬への偏愛と美術愛によって、脱力系古典絵画オマージュ作品を制作するようになった。

　鈴木はオマージュした作品についてどれも実物を見たことがなく、すべて書籍や画像を参照し描く。各名画の創作背景、寓意などを調べたうえで、描かれた人物や動物を一人の個人、一匹の個性を持った命として向き合い制作している。本展においても、絵のなかの人や動物がハッピーであれと想いをのせ、時に大胆なデフォルメを加え創作した。