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吉田真也 個展「死を包むもの」

吉田真也 死を包むもの 2022

 青森公立大学国際芸術センター青森の2022年度アーティスト・イン・レジデンスプログラム「Making Things」に参加中のアーティスト、吉田真也による個展「死を包むもの」が開催されている。

 吉田は1994年青森県生まれ。秋田公立美術大学を卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科を修了。現在は広島県を拠点とし、その土地ごとの歴史や文化、風土などの人々の営みの痕跡を映像として残してきた。

 今回発表する映像作品では、青森県六ヶ所村から発掘された約4000年前の甕棺(かめかん)と、その地下に貯蔵され、技術の発展を待つ使用済み燃料が眠るキャニスターを棺ととらえ、2つの地下に眠っていた/いる棺を架空の口述により交差させる。

 会場内に展示される写真は、六ヶ所村の大規模開発に先立ち発掘調査が行われた場所を現在の姿から淡々と写し取る。ひとりの女性が埋葬されていた甕棺を起点に遥か数千年前から続く人々の営みを様々な痕跡から編み直すように構成された空間は、歴史上表出しなかった存在を浮かび上がらせる。