マイケル・ケーガン「To The Moon」

　MAKI Galleryでは、天王洲llのギャラリースペースで、マイケル・ケーガンの個展「To The Moon」を開催している。

　ケーガンは1980年ヴァージニア州生まれ。2003年にジョージ・ワシントン大学を卒業後。2005年にニューヨーク芸術アカデミーにて修士号を取得し、同大学院で特別研究員を務めた。現在はブルックリンを拠点に活動中だ。

　ケーガンは、宇宙飛行士やロケット、山頂やサーファーなど人間が自らの限界を超えていく状況をとらえたアイコニックなイメージを題材に、鮮やかな色と落ち着いた色のペイントをリズミカルな筆致で織り合わせることで、鑑賞者の視点によって抽象表現と具象表現の狭間でせめぎ合うようなハイコントラストの油彩画を制作している。

　日本初個展となる今回は、最初と最後の有人月面着陸計画であるアポロ11号と17号のアイコニックな瞬間を表現した平面・立体作品を展示。アポロ17号の月面着陸から50年が経とうとしている2022年、ケーガンによる「To The Moon」は、ノスタルジックな要素を活かしながらも未来を見据えており、人類が次に成し遂げるものへの真摯な期待感を体現する。